STPG370・STPG410(圧力配管用炭素鋼鋼管)の配管サイズ、重量、肉厚・特性等

ここでは350℃程度以下で使用する圧力配管に用いる炭素鋼鋼管(STPG370及びSTPG410)の配管サイズ寸法・径、重量、寸法許容差、肉厚(厚さ)、特性などの資料をまとめています。

JISでは外径の標準寸法サイズが、10.5mm〜660.4mmの範囲まで(呼び径が1/8B〜26Bの範囲まで)のパイプが規定されています。


■ STPG-圧力配管用炭素鋼鋼管の種類や表示記号等

圧力配管用炭素鋼鋼管は、使用圧力10Mpa程度までの水や空気、蒸気、油、ガスなどの圧力流体の配管に用いられる鋼管です。

配管サイズ・寸法の呼び方は、『呼び径×呼び厚さ』で表され、通常はパイプ1本の長さは4000mm以上になります。

呼び厚さには、スケジュール番号(Sch番号)が用いられています。

例:100A×Sch40 (又は 4B×Sch40)

JIS規格においては、以下のJISで規定されている配管になります。

  • JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管

圧力配管用炭素鋼鋼管のJISに類似する対応外国規格(海外規格)には以下などがあります。
・ASTM A53(A,B)、A135、A523
・BS 778、3601、3602
・DIN 1626、1629、17172
・API 5L

圧力配管用炭素鋼鋼管の種類には、STPG370STPG410 の2種類があり、さらに亜鉛めっきの有無によってそれぞれ以下のように黒管と白管があります。

  • STPG370(黒管)
  • STPG370(白管)
  • STPG410(黒管)
  • STPG410(白管)

黒管は、亜鉛めっきを行わないSTPGパイプのことで、白管は、亜鉛メッキを行ったSTPGパイプを意味します。
図面などで黒管と白管を区別する必要がある場合には、白管であることを表す記号として、”-ZN”をSTPGの後に付記します。
例:STPG370-ZN、STPG410-ZN

また、STPG370・STPG410鋼管の製造方法・仕上方法を表す記号にはそれぞれ以下が用いられます。

製造方法を表す記号
・継目無し:S
・電気抵抗溶接:E
仕上方法を表す記号
・熱間仕上げ:H
・冷間仕上げ:C
・電気抵抗溶接のまま:G

STPG370・STPG410パイプの製品表示は、上記の記号を組み合わせて使い、以下のように表示されます。

  • 熱間仕上継目無鋼管(熱間仕上シームレスパイプ) -S-H
  • 冷間仕上継目無鋼管(冷間仕上シームレスパイプ) -S-C
  • 電気抵抗溶接のまま鋼管 -E-G
  • 熱間仕上電気抵抗溶接鋼管(熱間仕上電縫鋼管) -E-H
  • 冷間仕上電気抵抗溶接鋼管(冷間仕上電縫鋼管) -E-C

例:熱間仕上継目無鋼管STPG370 の場合 : STPG370-S-H


■ 製造方法、化学成分、機械的性質等

STPG370・STPG410鋼管の製造方法、化学成分、機械的性質などは以下のような仕様となっています(JIS規格より)。

製造方法
製造方法は継目無鋼管(シームレスパイプ)、若しくは電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管) として製造し、熱間仕上げ、冷間仕上げ 又は 電気抵抗溶接のまま のいずれかの仕上方法があります。

継目無鋼管(シームレスパイプ)と電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)

通常は、製造のままとします。ただし、冷間仕上げしたパイプは、製造後、焼なましを施します。
なお、注文者は必要に応じて STPG410 の電気抵抗溶接鋼管の溶接部に熱処理を指定してもよいことになっています。

パイプの両端は、注文者の指定があればベベルエンドに加工してもよく、ベベルエンドの形状は基本的に受渡当事者間の協定によりますが、特に指定のない限り、厚さ(パイプ肉厚)22mm以下のパイプは以下の形状となります。

パイプ両端のベベルエンドの形状

化学成分
STPG370・STPG410パイプの化学成分(溶鋼分析値)は、JIS G 0320(鋼材の溶鋼分析方法) に従った分析方法により分析試験が行われ、以下の数値となります。

STPG370
・C:0.25%以下
・Si:0.35以下
・Mn:0.30〜0.90
・P:0.040%以下
・S:0.040%以下

STPG410
・C:0.30%以下
・Si:0.35以下
・Mn:0.30〜1.00
・P:0.040%以下
・S:0.040%以下

機械的性質
STPG370・STPG410鋼管は、引張強さ、降伏点又は耐力、及び伸びに関して引張試験が行われ、それぞれ以下の数値となります(伸びの数値は割愛)。

STPG370
・引張強さ(N/mm2):370以上
・降伏点又は耐力(N/mm2):215以上

STPG410
・引張強さ(N/mm2):410以上
・降伏点又は耐力(N/mm2):245以上

そのほか、JISにはへん平性や、曲げ性についても規定があります。


■ STPG370・STPG410の配管サイズ・径・厚さ・重量、寸法許容差

STPG370・STPG410パイプの配管サイズ寸法・径、呼び厚さ(肉厚)ごとの、単位重量(質量)は以下の表になります。

STPG370・STPG410圧力配管用炭素鋼鋼管のサイズ・径・厚さ・重量
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STPG370・STPG410圧力配管用炭素鋼鋼管のサイズ・径・厚さ・重量

配管外径・肉厚・重量

上記のSTPG370・STPG410パイプのサイズ表の太枠内の寸法は、汎用品を示します。

また、単位重量(質量)の数値は、1cm3 の鋼を 7.85g とし、以下の式によって計算される数値です。

W=At(D−t)

ここに、
W:管の単位質量(kg/m)
t:管の厚さ(mm)
D:管の外径(mm)
A:Wを求めるための単位の変換係数で、A=0.02466

寸法許容差
STPG370・STPG410配管の外径サイズと厚さ(肉厚)の寸法許容差は、それぞれ以下となります。

【熱間仕上継目無管の場合】

■外径の許容差:
・40A以下:±0.5mm
・50A以上 125A以下:±1%
・150A:±1.6mm
・200A以上:±0.8%
ただし、呼び径350A以上は周長によってもよく、その場合の許容差は±0.5%とする。

■厚さの許容差:
厚さが4mm未満のもの:(+0.6mm、−0.5mm)
厚さが4mm以上のもの:(+15%、−12.5%)

【冷間仕上継目無管及び電気抵抗溶接鋼管の場合】

■外径の許容差:
・25A以下:±0.3mm
・32A以上:±0.8%
ただし、呼び径350A以上は周長によってもよく、その場合の許容差は±0.5%とする。

■厚さの許容差:
厚さが3mm未満のもの:±0.3mm
厚さが3mm以上のもの:±10%

なお、手入部などの局所的な部分については、厚さが上記の許容差を満足していることが確認できる場合には、上記の外径の許容差は適用されません。
また、外径の測定に周長を用いる場合の判定は、周長実測又は実測値の換算外径のいずれかによっても良く、いずれも同一許容差(±0.5%)を適用します。
ただし、外径(D)と周長(l)の相互換算は、次の式によって計算されます。

l=π×D
l:周長(mm)、π=3.1416、D:外径(mm)

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